2016/02/11

みそ汁
「俺のために、みそ汁を作って欲しい」
突然、彼にそう言われた。大好きな彼にそんなことを言われて嬉しくないわけがない。正直、天にも昇る気持だった。でも……。
「少し待って下さい」
私はそう言うしかなかった。仕方がないのだ。
それからも、私はずっと言い続けた。
「もう少し待って下さい」
そのまま、三年の月日が流れた。
そして、彼に言われた。
「もう、これ以上待てない。別れよう」
ショックだった。そう言った彼の気持ちも分かる。ずっと待たせてきたのだから。でも、私だってこの三年間、ただ待たせていた訳ではない。ずっと頑張ってきたのだ。そして本当にもう少しというところまできていたのに。
そう、この三年間の練習で、やっと人がまともに飲めるみそ汁が作れそうだったのに……。
あとがきなんて必要ありませんね。簡単すぎる馬鹿らしい話でゴメンナサイ。